群馬県邑楽郡大泉町発 ”ありがとう” からはじまる異文化理解を育む「絆」の物語

深刻な労働力不足を背景に1970年代後半から外国人労働者(研修生)を受け入れ、異文化理解を育み、生まれた絆の歴史を刻み続ける大泉町。多文化共生の未来を切り拓く「モノの考え方」や40年以上にわたり、先人たちから語り継がれてきた経験、培ってきた知見・知恵を未来のためにご紹介していきたいと考えています。

対話の基本原則:聴くと伝えるの黄金比について考える

なぜあなたの熱意は相手に伝わらないのか?

まずは今回の記事について、全体の構成を「目次」からご覧いただきたいと思います。

目の前にいる誰か、家族、友人、同僚、上司、部下、顧客との会話でトラブルを抱えている方には「目次」のアンカーテキストをクリックして、あなたがいま必要と思われる箇所を拾い読みしてくださってもかまいません。

もちろん最初から文章の流れに沿って読んでいただければ幸いです(*^-^*)。

「聴くと伝える」という両方の視座から「対話の基本原則」を学び、他者への共感と理解、さらには個人、組織が成長に至る過程をどう歩むか?私たちがいまできることを一緒に考えていきましょう。

あなたの話に聞き手がストレスを感じている!?

日頃さまざまな集団や組織から相談を受けていると、よく似た質問、同じような悩みが寄せられます。

  • 「説教が大好きな上司の繰り言に困っています。多くの部下や後輩が悩んでいます。上から目線で、昭和の武勇伝や前職の成功体験を聴かされています、これが苦痛なんです、有難迷惑です。どうしたらよいですか?」。
  • 「上司や先輩は良かれと思っているのかもしれませんが、聞き手のストレスに無自覚で延々と話す相手に何か良い気付きを与えたいのです。良いアドバイスはありますか?」

このような状況は確かに難しいですね。上司や年配の方が若い世代に自分の経験や成功体験を話すのは、話し手本人はあくまでも良かれと思って、熱意をもって話しています。話し手は「善意」から話していることが多いのです。

ところがその「善意のアドバイス」が長引くと、聞く側からは上から目線だと受け取られたり、話が長いと感じられたり、同じことを何度も聞かされていると感じると、聞き手には大きな精神的な負担、ストレスになり、まったくの逆効果になることも多くあります。

世代間格差、性差、生まれや育ちの違い、経験の違い、価値観の違いはあって当たり前です。まずはその違いを受け入れる。そして対話によって、「わかりあえない」という対立につながる分断要素を乗り越え、「いまここにあるコミュニケーションの不幸な現実」を一日でも早く解消したいものです。

伝えるから「伝わる」へ、「話し手」であるあなたがメラビアンの法則から学ぶこと

メラビアンの法則は、コミュニケーションにおける言語以外の要素がメッセージの伝達に与える影響を説明するものです。

アルバート・メラビアン博士によって提唱され、特に対人コミュニケーションにおいて、言葉の内容、言語によるメッセージが相手に与える影響は全体のわずか7%に過ぎないとされています。

残りの93%は非言語的な要素によって構成されており、具体的には次のように分けられます:

  • 視覚情報(表情や身振りなどのボディ・ランゲージ): 55%
  • 聴覚情報(声のトーンや話し方の速さなど): 38%

この法則から、言葉の内容=何を言ったかだけでなく、誰が、どのように話すか、どのような態度で話すかがコミュニケーションにおいて非常に重要であることが分かります。

ただし、メラビアンの法則は特に感情や態度を表現する場面において、適用されるものであり、全てのコミュニケーションにおいて、この比率が適用されるわけではありません。その点にはご注意ください。

「話し手」から「聞き手」の側に回った時のあなたはどうすれば良いのか?

聞き手の側に回った時、あなたはいま置かれている場所で対峙している相手が「上司」「年長者」さらには「部下」や「後輩」、「同僚」と異なる関係性のなかで、話を聴くことになります。

  • 我慢しながら聴く。

  • 要望を聴くけれど、叶わない現実がある。

  • 相手の指示には従わないけれど、とりあえず聴く。

こういった無理を重ねていませんか?

このような無理は聞き手には「負の感情」の捌け口がありません。残念ながらこうした状況が頻発している現場では、徐々に無理解と対立へと歩む悲劇に向かってしまいます。

ではこうした事態を避けるためにどうすればよいのでしょうか?

「わかりあえない」という不幸な分断と対立を避けるためのアプローチ5選

まず次の5つのアプローチを試してみましょう。

どんな場合でも言葉ひとつで、相手の行動を変えることは難しいことです。

相手に劇的に行動変容が生じて、状況が一変することはめったにないと言ってもいいでしょう。

その前に自分が相手への対応を変えること。そこからはじめてみましょう。

共感と感謝を示す:

まず、その年長者や上司が話してくれている意図を理解して、彼らの経験を共有しようと考えてみてはいかがでしょう?

「善意」に基づいて話してくれている相手に感謝の意を示すのが良いでしょう。

話し手はその感謝の言葉や聞き手の態度をみて、自尊心が満たされます。聞き手が能動的に共感を示すことで、話し手本人が日頃感じている疎外感や自己の内面で抱えている「認知的不協和」を和らげることができます。

※認知的不協和(にんちてきふきょうわ、英: cognitive dissonance)とは、人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、矛盾する認知の定義を変更したり、過小評価したり、自身の態度や行動を変更すると考えられている。<wikipediaより引用>

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話題の切り替え:

話を聴いていて、あなたがイライラしてきたら、うまくタイミングを見計らって、話題を別の話題に切り替えることを試みてください。

「それは素晴らしい経験ですね!ところで、最近○○についてどう思いますか?」といった感じです。

フィードバックを求める:

その方の経験に基づくアドバイスを求めると、相手は自分が聞かれていると感じ、満足するかもしれません。

また、特定の課題について助言を求めると、話が具体的になり、より建設的な対話が生まれることがあります。

しかし話し手が階層型権力構造、代表的な例は大企業出身者、官僚組織などで長い時間を過ごしてきた経験から説教好きになった人、上から目線が習い性になってしまった人であれば、実はそれも難しいかもしれません。

時間の制約を伝える:

自然な形で「申し訳ありませんが、次の会議があるので」といった感じで時間が限られていることを伝えるのも一つの方法です。

とにかく時間をキッチリ決めて、それをはっきり相手に伝えてから対話に臨むことが大切です。これにより、話が長引くのを防ぐことができます。

聞き方を変える:

話が長くなる前に、「もっと具体的な例を教えていただけますか?」や「その時の一番の教訓は何でしたか?」など、話の内容を整理することに労力をかけ、要点を絞ってもらう質問をすることも効果的です。

相手の気持ちや立場を尊重しながら、自分たちの貴重な時間やエネルギーを守るバランスを見つけることが大切です。

あなたも私にも時間と熱量(エネルギー)は無限にあるわけではないのです。

話が冗長でまとまりのない相手に対して、円滑に会話を切り上げたいという気持ち、本当によく分かります。

相手を傷つけずに、かつ、話をやめてもらうためには、いくつかの状況や相手との関係性によって、声かけの仕方を調整することも大切です。

人間関係と会話の潤滑油、それはTPOに応じた気遣いと思いやり。

状況や相手との関係性などTPOに応じた声かけの例を挙げてみましょう。

相手がプライベートな話で盛り上がっている場合:
  • 「〇〇の話、すごく面白いね!また今度ゆっくり聞かせてね」。
  • 「〇〇の話、今度みんなで集まったときに詳しく聞かせて」。

具体的な時間や場所を提示することで、次の機会に話を切り替える 

相手が仕事の話で熱弁している場合:
  • 「〇〇の件、とても参考になる話だね。少し具体的な数字で教えてもらってもいいかな?」。
  •  「〇〇の件、一度整理して資料にしてもらえると助かるんだけど、どうかな?」。
  • 具体的な行動を求めることで、話をまとめるキッカケを作る。
相手が自分の考えを主張している場合:
  • 「〇〇さんの考え、とてもよく分かるよ。私も少し似たような経験があって…」。
  • 「〇〇さんの意見、すごく興味深いね。ちょっと別の角度から考えてみてもいいかな?」。
  • 相手の意見を尊重しつつ、話題を変える。唐突感を周囲に感じさせないように気を配る。
相手が単に話が長いタイプの場合:

話が長い人に向かって、単に「簡潔にもっと短く話してください」とか「プロセスはいいので、とりあえず結論だけ聞かせてください」と無神経に伝えてしまうと、まったく対話の効果が出ないばかりか、無用な対立を生むことがあります。

話し手本人は「善意」を背景に、一所懸命伝えようとして、熱量が増しているため、そのような指摘をされると相手の態度に反発して逆ギレされてしまうことも多いものです。

  • 「〇〇さんって、いつも面白い話をたくさんしてくれるよね。でも、ちょっと時間がないので、また今度ゆっくり話そうね」。
  • 「〇〇さん、今日は色々と話してくれてありがとう。おかげで〇〇についてよく理解できたよ」。
  • 感謝の気持ちを伝えることで、相手を気遣いながら上手に話を切り上げる技術を磨く。

言葉の奥にある大切なことを聴きあうために、どう声をかければ良いのか?

非言語的なコミュニケーションも活用する:

  • 相手の目を見て、笑顔で話す。
  • 相手の話を遮らず、最後まで聞く。
  • 少しずつ距離を離していく。
  • さりげなく時計を見るなど、時間の経過を意識させる。
  • 腕組みをしない。足を組まない。
  • 姿勢を正し、やや前傾姿勢で聴く。
  • できるだけ眉間にしわが寄らないよう注意する。
具体的な行動で示す:
  • 「そろそろ席を立って、次の予定に行かないと」。
  • 「ちょっと用事があるので、失礼するね」。
  • 具体的な行動を示すことで、話を切り上げる意図を明確にする。
事前に時間を決めておく:
  • 「今日は〇〇について話したいことがあって、ちょっと時間をもらってもいいかな?15分くらいで」。
  • 事前に時間を決めておくことで、相手も意識して話をまとめようとする。
否定的な言葉は避ける:
  • 相手を傷つけるような言葉は使わない。
  • 高圧的な態度で、相手を否定する人はトゲトゲしい言葉や投げやりな言葉を吐く癖が抜けないことを知っておく。
  • このような人は大きな自己矛盾と深い寂しさを抱えている。
相手の話を尊重する:
  • 相手の話を最後まで聞き、共感する姿勢を見せる。
  • 相槌の打ち方には細心の注意を払う。
  • 人は笑わせてくれる人より、一緒に笑ってくれる人を求めている。
  • 黙って聞いてくれる、一緒に泣いてくれる、怒ってくれる、寄り添い共感することが相手を尊重することにつながる。
柔らかい言葉遣いを心がける:
  • 敬語(尊敬語・謙譲語)の正しい使い方を学びなおす。
  • 「~なんだけど」や「~かな?」など、柔らかい言葉遣いを心がける。
  • TPOに応じて、相手の心に寄り添う言葉を探りながら、会話をする。
  • 状況や相手との関係性に合わせて、これらの声かけを組み合わせることで、より円滑に会話を切り上げることができるでしょう。

大切なのは、話を聴いてくれている相手への配慮

一方「話し手」は以下の点も意識しましょう。

相手の性格や話し方を知る:
  • 相手の性格や話し方を知ることで、より適切な声かけができる。
  • 特に階層型権力構造で上にいる人は何を言うかではなく、相手をどういう気分にさせたいかに意識を向ける。
場の雰囲気を読む:
  • 場の雰囲気に合わせて、声かけのトーンや内容を調整する。
  • 聞き手に対し、話しかけることで無用な圧力を与えない。
練習する:
  • 普段から意識して、話を短く切り上げる練習をする。
  • 伝えるメッセージを徹底的に絞り込む。
  • できれば一つに絞り、まず結論から伝えてみる練習をしておく。
  • 伝えたい結論はネットニュースの見出しと同じ文字数=13文字以内にまとめる訓練をする。

話し手がこれらのことを心掛けることで、相手に人の話を聞くことのストレスを減らし、言いたいことがより深く伝わっていくはずです。

すべて完璧にこなそうと考えないことです。無理は禁物です。あくまでもいまのあなたにできることから、選んで始めましょう。

相手の話を無理やり遮る≒強制シャットダウンという荒業は人間関係を壊します。意図的に相手との縁を切りたいときや関係性を壊す目的の時以外はタブーだと考えておきましょう。

聴くことと伝えること(話すこと)の比率について、考えてみましょう。

対話における聴くことと伝えることの理想的な比率は、状況や相手によって異なりますが、一般的には「聴くこと」を優先したほうがうまくいくでしょう。

ところが聴くという行為はストレスがたまりやすく、あなたのエネルギーを奪うことも多いものです。あなた自身の心とカラダを整えること≒コンディショニング(調整)に十分に気を配ってください。繰り返し申し上げますが、とにかく無理は禁物です。

一般的な対話における聴くことと伝えることの黄金比

  • 聴くこと: 70%
  • 伝えること: 30%

特に新しい人や初対面の相手の場合、相手の話をよく聴くことで信頼関係を築くことができます。

ビジネスシーンにおける聴くことと伝えることの黄金比:

  • 聴くこと: 60%
  • 伝えること: 40%

必要に応じて、相手の意見をよく聴きながら自分の意見も伝えることが重要です。

問題解決やアドバイスの場面における聴くことと伝えることの黄金比:

  • 聴くこと: 80%
  • 伝えること: 20%

この目安を参考にして、相手の悩みや問題をよく理解し、その上で適切なアドバイスを提供することが求められます。

ひょっとするとこの比率に驚いた方もおられるかもしれません。聴くこと≒傾聴力、まずちゃんと聴くということはとても大切なことなのです。

とはいえ、これらはあくまで一般的な目安です。対話の目的や相手のニーズに応じて柔軟に対応することが重要です。

あなたの成功体験から相談相手の「問題解決」は生まれにくい!?

悩みごとの相談のなかで、何よりも大切なのは「相手は何を求めているか?」。

ここをしっかり聴くことであり、問題の本質を慎重に見極めることです。

この局面ではあなた自身の洞察力が試されているのです。

相談相手にあなたが「成功体験」を伝え、相手ではなく、あなたが達成感や爽快感を得ていたとしたら、相手は大きなストレスを感じていることが多いのです。

具体的な対策を求めているのに、あなたのアドバイスが相手の質問にあっているか?冷静に振り返りながら判断しましょう。

なぜ失敗体験から得られるアドバイスが良いと考えられるのか?

失敗は成長のチャンス、絶好の機会だと考えてください。

しかし、「失敗したらどうしよう」という恐れに囚われている人にどう向き合えばよいのでしょう?

具体性:

それなりの時間が経ち、感情の折り合いがついている「失敗体験」は、具体的な出来事であるため、何がうまくいかなかったのか、何が原因だったのかを詳細に分析できます。

他人の失敗談は比較的安心して聴くことができるので、まず相手に心理的安全性を担保した環境を設定しましょう。他人のエピソードとして要点を整理して、端的に話すことで、相手の気持ちを楽にしてあげられます。

根本的な問題の発見:

失敗の原因を深く掘り下げることで、根本的な問題点を発見し、より効果的な解決策を見つけることができます。

成長への必要不可欠な経験とは何か?:

自身の弱点をしっかり自覚し、失敗を乗り越える過程で、新たなスキルや知識を習得し、この経験が大きな自己成長につながります。

成長マインドセットVS.固定マインドセット

growth mindset vs. fixed mindset)

成長に至る心構え≒「成長マインドセット(growth mindset)」とは

「能力は生まれつきのものではなく、努力によって伸ばすことができる」という考え方のことです。つまり、どんな人でも、適切な努力と経験を重ねることで、能力を向上させ、成長できるという考え方です。

固定マインドセットとは:

まったく逆の考え方に「固定マインドセット(fixed mindset)」と呼ばれるものがあります。

これは固定マインドセットとは「人間の能力は生まれつき決まっていて、努力しても変わらない」という考え方のことです。

もう少し説明すると、固定マインドセットを持つ人は、

自分の能力は固定されていると信じている:

才能や知能は生まれつき決まっていて、後天的に伸ばすことはできないと考えています。

努力を否定する傾向がある:

努力しても能力は変わらないため、努力をする意味がないと考えてしまいます。

失敗を恐れる:

失敗は自分の能力の低さを証明するものだと捉え、新しいことに挑戦することを避ける傾向があります。

他人と自分を比較する:

自分の能力を他人と比較し、優位に立ちたいと考えます。

このような考え方を持つ人は、新しいことを学ぶ意欲が低かったり、失敗したときに他人を妬み、恨み辛みなどの感情から立ち直るのが難しかったりすることがあります。

成長に至る心構え≒成長マインドセットを持つことの利点

困難に立ち向かう力:

失敗を恐れずに、新しいことに挑戦し、困難を乗り越える力が徐々に身についていきます。

学習意欲の向上:

「もっと成長したい」という意欲が生まれやすくなり、自発的かつ積極的に学習に取り組むようになります。

心を鍛える:

困難な状況でも、小さな挑戦をし続けることが習慣化できれば、諦めずに努力を続けることができるため、心の強さが少しずつ身についていきます。

人との関係性の改善:

周りの人たちのサポートにしっかり感謝の気持ちを伝え、それを態度や行動で示すことで、また新しい協力を得られる機会が増えます。

家長やチームリーダー、管理職になった時にあなたが何かを相談された場合、いかに目の前の相談相手をこのように成長に至るように仕向けるか、これが大きな課題となります。

まとめ:

今回は家族、学校、職場など人間関係も多種多様な集団、組織に身を置いたときに、それぞれの立ち位置で、対話の基本原則について覚えておきたいことをまとめてみました。

ここで、「聴くと伝える」に関するおすすめの書籍を一冊ご紹介します。

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策 今井むつみ著

この本の優れているところは、単に「こうすれば伝わる」というハウツー本ではなく、コミュニケーションの根源的な問題に迫っているところです。読み進めていくうちに読者に深い気づきを与えてくれる一冊です。

  • 「伝わらない」問題の根源を認知科学の立場から解き明かしている。
  • 「伝わらない」という問題に対して、具体的な解決策を多数提示している。

読みやすく、わかりやすい文章で書かれており、多くの人が経験する普遍的な悩みの正体を明らかにしてくれます。

出版社:日経BP社宣伝用チラシを転載・引用

一冊の本との向き合い方が問題解決の糸口となる
  • 本を読みながら、まずはじっくり考える。
  • 書かれている内容を整理しながら理解する。
  • 誰かに学んだことを聞かせること、教えることを前提にメモを取る。
  • 書籍から学んだ知見、浮かんだアイディアを実際に試してみる。
  • それでも上手くいかないときは信頼できる第三者に相談してみる。

こうした時間の総和が問題解決への道筋を切り拓く基礎になります。

聴くことと伝えることの黄金比に「正解」はないのかもしれない。しかし「最適解」は見つかる。

日々の暮らしのなかで対話の基本原則や会話のマナーの多くは誤解や「わかりあえない」という分断要素を避け、よりよい人間関係の基礎づくりに役立ち、潤滑油となるよう考えられています。

そこで、

話す、説明するという行動の結果、どうしても相手に言いたいことが伝わらなかったという事実から学ぶ。
これまで試行錯誤の総和から学んだことをいまあなたがいる場所で、あなたが自発的に考えてみる。

目の前の相手にできることから少しずつ試してみてください。

相互理解の小さな一歩を無理せず始めましょう。

言葉ひとつで人間関係にヒビは入ります。人間の信頼関係は簡単に崩れます。特に利害でつながっている関係性において、「壊すこと」はいつでも誰でも一瞬で可能です。

対話から言葉とその奥にある大切なものに気づくこと。

対話の相手は国籍、性別、年齢、思想信条に関係なく、まずしっかりと目の前にあるつながりから、共に未来をつくるコミュニケーションが必要だということを忘れないでください。

現在世界中至るところで分断と対立を助長するヒステリックな汚い言葉がインターネット上で飛び交っています。

会ったこともない他人とつながることが増え、相手の吐く言葉によって深く傷つくことがあります。

しかし感謝、癒しを自然に分かち合い、共通理解への道筋を切り開くことができるのは「対話」からです。

自分がどのような人間であるか?

わたしたちが発する言葉はあなたがいま何を考え、何を感じ、どんな場所、環境で生きているかを浮き彫りにします。

あなたが発する言葉で、あなた自身がどういう人間であるかが他者、周囲に知れ渡っていきます。

なぜなら「言葉」はその人が毎日考えていること、その思考と本質を物語るからです。

いまあなたがいる場所で話す言葉次第で、相手の心の扉が開きもすれば、閉じることもあります。

 

外国人材との協働という現場だけにとどまらず、自分以外の他者と共に生きる、働くといった状況で、「わかりあえない」と感じることがあって、当たり前です。

そこであなたがそう感じたとき、内面にどんな感情がどう息づいているでしょうか?

自らに問いかけてみてください。解決策をすぐに求めていませんか?

人は解決策を求めているとき、ついつい言葉を重ねてしまいます。

ドンドン多弁に、しかも早口に、安易に言葉を使いがちです。

そんな時は言葉を重ねるより、一歩踏みとどまって沈黙を選び、「傾聴」へと意識を変えてみましょう。

自分と相手の感情や内面に息づいているものに意識の方向を変えてみる。ここが重要なポイントです。

その際は必ず「事の良し悪し≒善悪」、「好き嫌い」といった判断をいったんあなたの内面から手放しましょう。

 

人間と人間、生きとし生けるものは適切な関係のなかで共に生きていくことは可能です。

あなたの生きざま、人間性そのものである「あなたが発する言葉」でどんな関係を作り、人間関係をどう維持していきたいでしょうか?

  • そのトゲトゲしい言葉で深く他人を傷つけるか?
  • 相手の心に寄り添った思いやりあふれる言葉で、痛みや苦しみを癒すか?
  • 丁寧な対話によって、互いに分かりあえた「喜び」を共有するか?
  • 相手に苦痛を与えてもなお、他者に忍耐と理解を求めるのか?

それを決めるのはあなたです。

いま目の前で起きていること、自分と相手の内面で息づいていることを虚心坦懐、ありのままに見ること、対話によって、それを言語化し、「自然な分かち合い」を目指すことが相互理解への過程でもっとも大切な一歩なのです。

良い対話を!それではまた。

diversity4649.hatenablog.com