群馬県邑楽郡大泉町発 ”ありがとう” からはじまる異文化理解を育む「絆」の物語

深刻な労働力不足を背景に1970年代後半から外国人労働者(研修生)を受け入れ、異文化理解を育み、生まれた絆の歴史を刻み続ける大泉町。多文化共生の未来を切り拓く「モノの考え方」や40年以上にわたり、先人たちから語り継がれてきた経験、培ってきた知見・知恵を未来のためにご紹介していきたいと考えています。

学びの本質とは何か?

日々の暮らしや失敗から私たちは多くのことを学んでいる

私たちは日々の暮らしのなかで、仕事・学校・地域社会それぞれの場所で多様な学びの機会と遭遇してきています。その学びによって、私たちは成長し、成功体験、失敗いずれからも実は多くの学びを得ています。

ところが、

  • ひとつの失敗に大きく傷つき、心が折れる

  • 他者との関わりへの自信喪失からうつむいてしまう。

  • 自分という殻に閉じこもってしまう。

  • どう心とカラダを奮い立たせようとしても他者との関わりを拒絶してしまう。

こんな状況に陥り、想像以上に深刻にもがき苦しむこともあります。

これは一つボタンを掛け違えただけで誰にでも起こりうることなのです。

殻に閉じこもることも、実は成長には必要なプロセス

人が本当に深く学ぶのは、順風満帆なときよりも、むしろ「何もかもうまくいかない」と感じる瞬間にこそ訪れるものです。失敗や挫折の中で自分と向き合い、心やカラダの痛みや葛藤を通して得られる気づきは、表面的な成功では得られない深さを持っています。

自分という殻に閉じこもる、それは「内省」の時間であり、自分の価値観や限界、そしてあなたにとって「本当に大切にしたいもの」を見つめ直す機会になります。まるで冬の間、地中で静かに力を蓄える種のように。

「学び」とは、情報を得ることだけではなく、自分自身を知ること。

自信を失ったときこそ、

  • 「自分は何に価値を置いていたのか」

  • 「どんなことに遭遇したから、こんなに苦しいのか」

  • 「誰といつ出会ったときのことなのか?」

  • 「いま自分にできることは何か?」

  • 「身につけた技能(スキル)と経験の棚卸しをしてみる」

など自らと向き合い、事実質問に集中して、自らに問い直すことで、より本質的な成長につながります。

そして、他者との関わりを拒絶したくなるときこそ、誰かの存在が救いになることもあります。無理にこころを開かなくてもいい。

でも、ほんの少しだけ「聞いてもらえるかもしれない」と思える相手がいるだけで、回復のきっかけになることもあります。

人と会い、人と話す、信頼できる相談相手が見つかる。ここまできたら、希望という名の「光」は確実に見えてきます。

感情の共有と解放: 自分の苦しみを言葉にして誰かに話すことで、心に溜め込んでいた感情が解放され、気持ちが楽になります。また、共感してくれる人がいることで、「自分は一人じゃない」と感じられ、孤独感が和らぎます。

視点の変化: 苦境にいると、どうしても視野が狭くなりがちです。しかし、他者と話すことで、自分とは異なる視点や考え方を知ることができ、「こんな考え方もあるんだ」「こうすれば解決できるかもしれない」という新しい発見につながることがあります。

前向きなエネルギーの獲得: あなたをこころから応援してくれる人、支えてくれる人と話すことで、気持ちが明るくなり、前向きなエネルギーをもらえます。「頑張ってみよう」という気持ちが自然と湧いてくることも多いです。

もちろん、立ち直り方は人それぞれで、一人で静かに自分と向き合う時間が長く必要な場合もあります。しかし、多くの人にとって、人とつながることは、暗闇のトンネルに差し込む一筋の光になる可能性があります。

学びの本質とは何か?三大要素に分解してみると…

学びの本質は、新しい情報や経験をただインプットするだけではなく、それらを既存の知識と結びつけ、自分自身の視点や行動を変えていくプロセスです。

これは、単に情報や知識を暗記することとは大きく異なります。

学びの本質的な要素は、以下の3つに分解して考えることができます。

探求と問い

学びは、まず「なぜだろう?」という好奇心や、「どうすればいいのだろう?」という問題意識から始まります。未知の事柄に出会い、それを解き明かそうとする探求心が、学びの原動力となります。

そして、問いをもち、他者や世界とつながりながら、自らを更新し続けることがきわめて大切なことになります。

統合と理解

新しい知識をただ覚えるのではなく、すでに自分が持っている知識や経験と結びつけることが重要です。そうすることで、点と点がつながり、全体像を立体的に理解できるようになります。この統合のプロセスを経て、知識は「知恵」へと昇華されていきます。

変わっていくこと、実践(行動)すること

学んだことを現実世界で使ってみることで、学びは最終的に定着します。失敗や成功を経験しながら、自分の考え方や行動が少しずつ変化していく。この「変容」こそが、真の学びと言えるでしょう。

つまり、学びは片道一方通行のインプットではなく、問い、結びつけ、そして行動することで、自分自身を更新していく循環的なプロセスなのです。

 

学びの本質に迫る6つのステップとは?

より具体的に6つのステップを踏んで学びの本質に迫ってみましょう。

価値を見いだす(Value

人は新しい何かを学び始めるときには膨大な適応エネルギーが必要になります。最初の一歩がとてつもなく重く感じられることも多いでしょう。

まず「学びたい」という気持ちが大切です。学習とは学びたいと考えた事柄に対し、学ぶ意味や意義を見つけることからはじめましょう。

未知の領域、環境、慣れないことに挑むときは学ぶことに「意味」や「目的」を見出すことで、モチベーションが高まり、挑戦により得られる知識も記憶にも残りやすくなります。自らが積極的に動いて発見した学ぶ意義だからこそ、それが変化を生む大きな力になるのです。

目標を決める(Target)

漠然とした学習ではなく、具体的な目標を設定することで、学びの方向性が明確になります。まずは小さなゴールを細かく設定して、短い時間でも集中することが初期の段階では極めて重要です。その小さな目標も達成感を得られやすいものにしましょう。

この時に勉強法のアドバイスを受けると効果が出ることが多いので、目標設定は自己流に走らず、良き相談相手≒先生やメンターとの出会いも重要です。

自ら構築する=能力を伸ばす(Develop)

情報を受け取るだけでなく、アウトプットの際には自分の言葉で再構築したり、具体例を挙げたりすることで理解が深まります。

学びは義務ではなく「好奇心」や「興味」から生まれるものであり、自身の興味に基づき好奇心を持ち続けること、失敗を恐れず挑戦し続けること、学びの過程を楽しむことで学びの質と持続性が格段に高まります。

発展させる(Extend)

自分の理解を振り返り、周囲の協力を得て、多面的なフィードバックを受け、そのうえで他人と議論することで、自分自身の認知バイアス(思考の偏り)、誤解や思い込みを修正できます。

またこの段階では感情が果たす役割もより大きくなります。

基本的な知識から応用へ、スキルと知識に肉付けして、より深い理解を形成するため、「自分はできる」という感情は脳内のエンジンが行う活動を支えるオイルのような役割を果たすからです。

関係づける(Relate)

既存の知識と新しい情報を結びつけることで、知識がネットワーク化され、応用力が高まります。

部分よりは全体を、個々の事柄よりは関係を、イメージ化(図式化)≒画像・映像と結びつける、知識を分類・整理し、その関連、つながりを意識し、「木を見て森も見る」全体像をしっかり把握する習慣をつける。

再考する(Rethink)

再考は「何のために学んでいるのか」を見直す絶好のチャンスです。

誰でも何かに挑戦する人はみな目的を見失い迷走したくはありません。しかし、迷いはいつでも誰のこころにも予告なく不意に生まれます。

そんな心境に陥った時の対処法はは前提条件などを疑ってみて「本当にそうなのか?」「他の見方はないか?」と問い直すことで、思考が広がります。
ところが人間は自分のアイデアや過去の判断に愛着があると、冷静な再考が難しくなります。「自分の考えを一度、他人のものとして眺めてみる」ことで客観性が生まれます。これは他者との対話から生まれます。自分の思考の偏りに気づく瞬間です。

「どうすればうまくいくか?」ではなく「そもそも何が問題か?」と自らに事実質問を繰り返し、他人との対話も繰り返し、立ち止まって振り返る問題の核心に近づけるよう問い直してみましょう。

再考の本質は、「どちらが正しいか」ではなく、「どちらが自分にとって意味があるか」を見つけることです。たとえ今のやり方を続ける選択をしても、再考を経ることでその意味づけが深まり、より強い納得感が生まれてくるものです。

学び直しに最高の友となり、生涯の師となる一冊

習慣超大全(Tiny Habits)B.J・フォッグ著

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INTRODUCTION:変化は簡単に起こせる(しかも楽しい)

■CHAPTER 1 行動を分析する
──「3つの要素」が行動を生む
・行動=モチベーション・能力・きっかけ
・行動にはかならず「理由」がある

■CHAPTER 2 〈モチベーション〉編
——「黄金の行動」をマッチングする
・「願望」「結果」「行動」の3つを区別する
・「したい」と「できる」が一致した行動が定着する

■CHAPTER 3 〈能力〉編
——習慣を「簡単なもの」に変える
・継続に「能力」の有無は関係ない
・もっとも小さい「義務」をつくる

■CHAPTER 4 〈きっかけ〉編
——「どの日課」のあとに行動する?
・「他人の行動を変える」最高の方法
・人は「心地よさ」によって行動を変える

■CHAPTER 5 定着させる
——祝福で脳をきらめかせる
・メールを「何度も開いてしまう」ワケ
・「リハーサル」で脳に刻み込む

■CHAPTER 6 小を大に育てる
──変化のスキルを活用する
・モチベーションを「下げる要素」を排除する
・最強のダイエット法は「スーパー冷蔵庫」

■CHAPTER 7 悪習をやめる
——習慣の結び目をほどく
・「いちばんやめやすいこと」から始める
・悪習の「きっかけ」をつぶす

■CHAPTER 8 一緒に変わる
——みんなで人生を変える
・「忍者」としてさりげなく人を動かす
・「簡単」で「具体的なこと」から始める

CONCLUSION:小さな変化がすべてを変える

出典:アマゾンジャパン書誌データ(ダイヤモンド社)から

さあ、はじめの一歩を踏み出し、6つのステップを踏んで、明日へと歩いていきましょう。過去の自分は書き換えることはできません。でもそのことを悲観する必要はないのです。

たったいま心に生まれた変化、さらには踏み出したその一歩、行動が明日を変える原動力になります。小さくても良い習慣を身につけて、人生をより豊かで楽しいものにしましょう。大丈夫、この記事を最後まで読んでくれたあなたならきっとできる!それではまた。

文・構成:小関達哉